日米野球で来日した大リーグの投手は全て「重いボール」を投げていた!らしい。日本プロ野球の選手たちは、そんな大リーグの選手のパワーを実感した、という。現役引退したテニスのマルチナ・ヒンギスが来日してテニス教室を開催した。受講した生徒たちの感想は、「ヒンギスのボールは重かった !」だった。

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「フリ」と「振り」の言語的意味

「振り込め詐欺」で息子や警官のフリをする、寝たフリ・死んだフリも同じパターンで他人を欺く方法である。ゴルフによるクラブの振りも辞書によると「フリ」と同一項目に書かれている。しかし、ゴルフの振り(=スウィング)が他人を欺いているという言い方はどうも合点がいかない。ここで少し言葉の意味を深く考えてみる必要があるだろう。人を欺く、というのは真贋の区別がつかなくなるということ、と言い換えられる。スウィングには真贋の2つが存在する、これも少し合点がいかない、ちょっと飛躍しすぎた考え方かもしれない。
以前当サイトの記事で、クラブの試打をしていたアマチュアに対してプロゴルファーが「私達プロとは、全く違う振り方ですね。」のコメントを思い出してしまう。ゴルフスウィングに数種類の振り方が確かに存在するということである。

ゴルフスウィングには真贋がある!?

この証明は、又の機会に…
と思ったが、なかなか証明出来る物証に巡り会えない。ただ同じスウィング系のスポーツに証明できるかもしれない現象が今シーズンのスポーツに存在している。『飛ばない』とされるボールを使い出すプロ野球である。昨年のホームラン数が大幅に減少するのは、多分確かである。どこのチームのどんなバッターがホームランを激減させるか?この現象がスウィングの真贋を証明することになるだろう。

イチロー選手の軸意識

イチロー選手が大リーグの歴史を変える、シーズン最多安打262本を記録した。この記録を達成した裏には彼のバッティングに対する飽くなき探求心がある。1シーズンでは無く1試合、1打席ごとに進化を求めている、と改めて痛感してしまう。記録達成後のインタビューで「軸」を意識してバットを振っている、という262本達成の秘密を吐露した。この軸意識は福岡ソフトバンクホークスの和田 毅投手を目覚めさせた考え方と一緒だ。バットによって放たれるボールもマウンド上から投げ下ろすボールも軸意識によってこそ発生するキレのあるボールが勝敗を左右する。
今回来日の大リーグの選手たちは、ほとんど全員(投手・野手含めて)軸意識でプレイしている。特に体力・筋力のレベルが高いレッドソックスのオルティスの160b弾が軸意識の目で見て判るスウィングフォームだった。フォロースウィングがソフトクリームの渦巻きのように上へ上へとバットを押し上げていった。

10年〜30年前の常識は現代の非常識、
現代の常識は明日の非常識かもしれない。

30数年前運動部の練習中に水を飲むのは、「御法度」だった。夏場の気温が30度以上にもなっていようが先生やコーチたちは、「いくら喉が渇こうが水を飲んではダメだぞ! 腹が痛くなるぞ!」と生徒たちを威嚇していた。当時はこのセリフが常識だった。
今年のアテネオリンピックの女子マラソンにあの当時の常識を当てはめてみると…出場した全員が死亡していたかもしれない。根性の代名詞になっていた「ウサギ跳び」も30数年前に疑問符がつき始めた。最近はまた見直されてきている、という噂を聞いている。文化系の人間からすれば、スポーツ科学はいつでも最先端、という気がするがまだまだ試行錯誤なのかもしれない。
以前、NHKのドキュメンタリーで「銅鐸を作る現代の職人」という番組があった。西暦500年前後に日本の各地で作られていた銅鐸を同じように作っているという職人さんの様子を放映していた。銅鐸の成分は最新鋭の分析装置で解明できる。しかしテレビに映し出されている職人さんたちは「うまくいかない!」と言いながら何回も壊しては作るを繰り返して汗を流していた。何かの製造過程あるいは技術が足りないらしく当時の銅鐸と全く同じものができない、というのだ。1500年前の技術が21世紀の現代で実践できない、という摩訶不思議さである。
現代より古代の技術が勝っていた、という現実が存在するのかもしれない。「ナンバ走法」が巷間話題になっているが、江戸時代の飛脚の走り方に熟練すれば、アテネオリンピックで予選落ちだった末続選手も北京五輪ではメダリストという可能性が大である。そろそろゴルフレッスンも「ナンバ走法」を参考にするなり大昔の埋もれた技術を取り入れなければならないその時が到来している。

プロのスウィングとアマチュアの
スウィングはどこがどう違うのか?

「ゴルフネットワーク」(CS放送)の「ゴルフギア情報局」で毎月新しいゴルフギアを紹介している。レポーターの土屋さんがアマチュアでも簡単にスピンがかかるウェッジをプロゴルファーと一緒に検証していた。ピンから50〜60ヤード離れたフェアウェイからプロと土屋さんが4〜5球ほどショットをした。やはりプロのアプローチショットの方がスピンのかかり具合は大きかったが、土屋さんのショットもそこそこのスピンがかかってカップに寄っていった。土屋さんは満面の笑みを浮かべ大喜びだった。しかしその時プロが一言「僕たちプロの打ち方とは全く違いますけどね。」一瞬土屋さんは絶句したが、「いいんですよ。あれぐらいスピンがかかれば満足です。」と精一杯切り返したが本心は納得がいかなかっただろう。土屋さんのスウィングはスピード感に溢れた綺麗なスウィングである。ゴルフ関連の仕事をされているのでプロゴルファーたちのレッスンも何回となく受けているはずであるのに、このプロゴルファーの一言である。プロの打ち方とアマの打ち方にどんな違いがあるのだろうか?みなさんは、お分かりになるだろうか?
私ども研究会から出版している「ノーモア開眼ゴルフ読本」にも記述してあるが、英語のswingの問題である。英和辞典のswingの項目を引いてみると、日本人が期待している『振る』という意味はなかなか出てこない。主たるswingの意味は音楽系のswingに代表される身体を揺さぶることなのである。日本語の『振る』に‘てへん’がついているので手を使ってしまうことに、そもそものボタンの掛け違いが存在するのである。

●ボールが『重い』とはどんなことだろう?それは球速に現れない「何か」


プロ野球の選手たちが、痛いほど感じた「重いボール」。バットを強振しても押し戻されるような感覚が残ったという。野球評論家たちは、「大リーグのピッチャーは手が大きい。だから回転数の少ないボールが投げられる。回転数の少ないボールが重く感じるんだ。」と当時分かったような言い方をしていた。彼らの体力・筋力を考えたら「重いボール」の存在も頷ける、という感覚的論調も当時には存在していた。しかし、そんな運動力学のみを論じても絶対解決しない。
ダイエーホークスの和田 毅投手は、甲子園当時無名だった。早稲田大学進学後、スポーツ科学を専攻していた部員と出会って「地球1周分走り込まないと良いボールは投げられない!」と言われ体力・脚力を作り上げた。でも良いボールはなかなか投げられなかった。それは、運動力学にしか注目していなかったからだ。バットやボールを扱う野球などの球技は物理系力学を人間運動力学に重ね合わせなければ問題解決しない。和田投手が部員とキャッチボールしながら…ある時その現象に偶然出会えた。「重いボール」の扉を開けることができたのだ。その後の六大学野球、プロ野球、五輪代表での大活躍は周知の通りである。彼はボールスピードで打者と対峙するのでは無く、ボールの「切れ」で勝負するピッチャーである。「重いボール」は決して球速とは関係無いことの証明である。
※和田投手と行動を共にした早稲田のT氏は、この投法を「ナンバ投法」と断言しているが、これは、和田投手が偶然見つけた産物である。決して「ナンバ投法」を目指したものでは無い。

●プロゴルファーたちの力みの無いスウィングに「重いボール」の影がある!?


トーナメント会場に行ってみると、プロゴルファー達の打球音には本当に度肝を抜かれる。スピーディーなスウィングをするプロにはそんな打球音も納得してしまうが、「新体操」のリボンを振っているようなスウィングのプロ達から発せられる重量級の打球音には不思議さを感じてしまう。これもクラブシャフトの物理的力学と人間の身体力学の微妙なコラボレーションから成り立っている。重量級の打球音はプロゴルファーのクラブを操る技術を知っている身体力学の結果なのである。
ゴルフにとって「重いボール」は、ドライバーの飛距離よりアプローチにより効果を発揮している。ロブショットのゆっくりとしたスウィングやスピンの効いたライナー性のアプローチの「重いボール」でプロ達はギャラリー達を魅了することになる。

●テニスのトップスピンが少ないバックスウィングで出来る訳


物理で使う鉄球が数個連なる振り子は、振り幅を大きくすればするほど大きな力になって反対側の振り子に力を伝え鉄球を大きく揺らす。しかし身体力学にこの現象は当てはまらない。特にラリーのスピードを競うテニスにとって大きなバックストロークは致命的である。
歴史に名を残す名プレイヤーのビョン・ボルグのトップスピンを繰り出すコンパクトなフォームはスピードで他を圧倒していた。しかもトップスピンの効き具合とボールの重みは対戦相手に相当のダメージを与えていたはずである。ここにも物理系力学と身体力学のコラボレーションにのみ起こりうる独特な力学現象が生じているのである。

★「重いボール」はスウィング系スポーツにおいて対戦相手そしてフィールドを凌駕することになる!

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